介護事業者向け 次世代の採用戦略とは？

介護業界では、慢性的な人手不足が大きな課題となっています。
求人を出しても応募が少なかったり、採用してもすぐに辞めてしまったりと、頭を抱えている事業者も多いのではないでしょうか。

こうした背景をふまえ、私たちは、介護事業者向けに次世代の採用戦略を提案しています。
採用の質を高めるだけでなく、採用活動そのものをもっと効率的に、そして魅力的に変えていくための戦略です。

今回は、その中でも特に重要な3つのポイントを紹介します。

1. テクノロジーを活用した採用プロセスの効率化

近年、AIやRPAといったテクノロジーがさまざまな分野で活用されています。
介護業界の採用活動も例外ではありません。

採用活動の中には、毎回同じような作業や判断が必要な場面も多くあります。
そうした部分にAIやRPAを取り入れることで、大きく効率化が図れます。

たとえば、こんな取り組みが可能です：

• AIによる応募者スクリーニング
  応募者の履歴書や職務経歴書の内容から、自動でマッチ度を評価し、面接に進める人を絞り込めます。
• RPAによる面接スケジュールの自動調整
  候補者と面接官のスケジュールを自動で確認・調整し、面接日時を確定できます。
• 面接後のフィードバック集計の自動化
  面接官の評価をもとに、総合的なスコアを出して採用可否を判断しやすくする仕組みです。

これらのテクノロジーを活用することで、採用担当者の手間が減るだけでなく、判断のスピードもアップします。
結果として、良い人材を逃さずスムーズに採用することができるようになります。

2. 多様な採用チャネルの活用

従来の採用チャネル（求人媒体・紹介会社など）だけでは、限られた層にしか情報が届きません。
今の時代、SNSやオンラインイベントなど、多様なチャネルを活用することが重要です。

実際に活用できるチャネルの例：

• Instagram・Facebookなどでの日常発信
  写真や短い動画で、施設の雰囲気やスタッフの声を発信することで、求職者との距離を縮めることができます。
• LINE公式アカウントの活用
  採用情報の発信や個別の問い合わせ対応を、手軽に行えるようになります。
• オンライン採用システムの導入
  オンライン面接の実施やWeb説明会の開催ができる仕組みを整えることで、遠方の求職者ともスムーズにやり取りができます。

こうした新しいチャネルを使うことで、より幅広い層にアプローチでき、今まで出会えなかった人材とつながるチャンスが広がります。
特に、若年層や育児中の再就職希望者など、柔軟な働き方を求める層に対して有効です。

3. 採用ブランディングの強化

今の求職者は、ただ「条件が良い」だけでは応募してくれません。
「どんな想いで働いている職場か」「どんな人たちと一緒に働くのか」といった、企業の“中身”に注目しています。

そこで大切になるのが、採用ブランディングの考え方です。
自社の魅力をしっかり伝えることで、「この職場で働いてみたい」と思ってもらえるようになります。

具体的には、こんな施策が有効です：

• 採用専用サイトの作成
  企業理念、スタッフ紹介、福利厚生、1日の流れなど、求職者が知りたい情報を集めて掲載することで、自社の魅力をわかりやすく伝えることができます。
• 採用動画の制作
  働く様子やインタビュー動画を通して、実際の雰囲気をリアルに伝えます。文字では伝わらない“空気感”を届けるのに効果的です。
• 採用イベント・説明会の開催
  オンライン・オフライン問わず、求職者と直接交流する機会を設けることで、信頼関係の構築がしやすくなります。

こうしたブランディング施策を続けることで、「働きたい」と思ってもらえる企業になり、自然と応募が増えていきます。

実施してほしい具体的な採用施策

これら3つのポイントをふまえて、以下のような施策を組み合わせて実施することをおすすめします。

● AIやRPAを活用した採用面接の自動化

• スケジュール調整の自動化
• 面接内容の記録と評価の自動集計
• 応募者データの一元管理

● SNSを活用した採用情報の拡散

• 日々のスタッフ紹介やイベント情報の投稿
• リール動画でのショートコンテンツ配信
• SNS広告によるターゲット配信

● 採用サイトや採用動画の制作

• 自社の雰囲気が伝わる動画コンテンツ
• 現場スタッフの声を掲載した記事
• スマホ対応の見やすいデザイン

● 採用イベントの開催

• オンライン就職説明会の実施
• 少人数制の職場見学会の開催
• 参加型ワークショップなどで交流の場をつくる

まとめ

介護業界の採用課題を解決するには、これまでのやり方にとらわれない柔軟な発想と、新しい手法の導入が必要です。
テクノロジーの活用、多様なチャネルの併用、そして自社の魅力をしっかり伝える採用ブランディング。

これらをバランスよく組み合わせることで、採用活動は大きく前進します。
求職者との信頼関係を築き、ミスマッチの少ない採用を実現していくことが、これからの介護事業者に求められる姿です。

今こそ、次世代型の採用戦略に踏み出すタイミングです。

参考URL:『奇跡のホームページング』